いったい世界遺産て、いくつあるのでしょうね。
その全てを見てくるなんてことは、とてもできそうにありません。

でも、100くらいなら可能かな?

というわけで、これまで見てきた世界遺産を少しずつ紹介していこうかと思います。

第一回は、「橋野鉄鉱山・高炉跡」です。

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「明治日本産業革命遺産」のプロフィール

まずは、橋野鉱山を含む全体を見てみましょう。

記載年月 2015年7月(推薦は2014年1月)

記載物件名  明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業

具体的な物件は8つのエリア23か所

萩反射炉,恵美須ヶ鼻造船所跡,大板山たたら製鉄遺跡,萩城下町,松下村塾,旧集成館,寺山炭窯跡,関吉の疎水溝,韮山反射炉,橋野鉄鉱山,三重津海軍所跡,小菅修船場跡,三菱長崎造船所第三船渠,三菱長崎造船所ジャイアント・カンチレバークレーン,三菱長崎造船所旧木型場,三菱長崎造船所占勝閣,高島炭坑,端島炭坑,旧グラバー住宅,三池炭鉱・三池港,三角西港,官営八幡製鐵所,遠賀川水源地ポンプ室

「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」は西洋から非西洋への産業化の移転が成功したことを証言する産業遺産群により構成されている。19世紀後半から20世紀の初頭にかけ,日本は工業立国の土台を構築し,後に日本の基幹産業となる造船,製鉄・製鋼,石炭と重工業において急速な産業化を成し遂げた。一連の遺産群は造船,製鉄・製鋼,石炭と重工業分野において1850年代から1910年の半世紀で西洋の技術が移転され,実践と応用を経て産業システムとして構築される産業国家形成への道程を時系列に沿って証言している。 (文化庁ホームページより)

黒船来航から明治維新に突入し、「西洋の技術に追いつけ追い越せ。」と、当時の日本人は必死になって技術を習得したのですね。第二次大戦後の復興も奇跡と言われましたが、明治維新からの急速な発展も他に例を見ないものらしいです。このへんの動きは、「日本人凄い」と素直に思います。

橋野鉄鉱山は、23か所の産業革命遺産の中のひとつなのですね。重要度はどうなんでしょう。

「橋野鉄鉱山・高炉跡」のプロフィール

釜石は,当時,日本国内で鉄鉱石が採掘 された限られた場所であり,この地におい て,採掘された鉄鉱石を用い,高炉による 製鉄が日本国内で初めて成功した。 西洋技術の情報を得て,日本の伝統的な 施工技術を用い,独力で建設した3つの高 炉の跡が,高炉の一部を成す石組み遺構 として,現存している。 高炉跡のほか鉄鉱石の採掘場跡,運搬路 跡などが当時からの立地環境とともに,現 存しており,一連の生産システムを示して いる。(文化庁ホームページ 推薦概要より)

 明治維新の10年前から、西洋の文書を見て作り上げたのが橋野高炉だそうです。それは、単に資料をそのまま真似たのではなく、日本の気候風土や資源に合わせて改良したものだとか。この世界遺産群のスタート地点のひとつと言えましょう。

 実際に高炉を作った(設計した)のは、「大島高任」という人物。地元で採掘した鉄鉱石を原料に、これも地元で伐採した木から木炭を作り、水車を活用した送風機で空気を送り込んで「銑鉄」を作りました。1858年のことです。

橋野高炉見学の記録

 実は釜石に入るまで「橋野」という地名を知りませんでした。世界遺産に釜石の製鉄施設が入っていることだけは理解していたのですが、新日鉄釜石の関連施設だとばかり思っていまして、「釜石市内にいくつかの登録施設があるのだろうな。」くらいの軽い気持ちでおりました。

 最初に立ち寄ったのが「釜石市立鉄の歴史館」です。

鉄の歴史館 大人500円

 ここで、「世界遺産はどこだ?」と確認したら、「橋野鉄鉱山・高炉」という名前が出てきたわけです。

 ところで、この「鉄の歴史館」ですが、鉄と共に歩んだ釜石の歴史が、わかりやすく展示してあり、釜石ビギナーは最初に立ち寄るべき施設です。15分程度の「大島高任と橋野鉄鉱山」の映像(一部機械が動いたりする)は必見です。橋野鉄鉱山の意義が理解できます。

しかし、ここで問題が・・・

橋野鉄鉱山まで車で50分!?

NAVITIMEより

遠すぎます。あんまりです。

でも、ここまで来たら行くしかありません。

ワープして、橋野鉄鉱山に到着

インフォメーションセンターがあります。

ここで、いくつかのビデオ映像と説明のボードで事前学習。
音声ガイドもレンタルできます。

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実際の高炉跡は、センターから少し離れているので、車で移動(ほんの2~3分)。

世界遺産ですが、落ち着いた佇まい
こういう説明があると有り難し
水路跡。ここに水車を作り、風を送ったのです。
1番高炉
2番高炉
高炉中央の石は、高温の鉄によって溶けています。
3番高炉のわきには崩れ落ちた石がゴロゴロ
やっぱり出ますよね。

今までもけっこうたくさんの世界遺産を見てきましたが、ここは「素朴さナンバーワン」です。

おみやげやさんなんて、ひとつもありません。(笑)

センターのおじさんによれば、
「本当は鉱山と、鉱山から高炉まで鉄鉱石を運搬した道も世界遺産なんだけど、道は立ち入り禁止ね。去年の台風でかなりやられちゃって。でも、時々ガイド付きで見学会やりますから来てくださいね。」

「それは、いつですか?」

「いや、まだ予定はないのですが、決まったら釜石市の広報に出ますから。」

山形市民の私には、少々酷なアナウンスでした。

でも、一度は行ってみても良い場所です。近所になにもありませんが、ぜひ!

ところで、写真だけでは「なんのこっちゃ?」ですよね。

2枚の写真は「岩手県立博物館」(盛岡)の展示です。橋野高炉の復元模型があります。
当時の雰囲気がわかりますね。

ほぼ同じ模型が「釜石市郷土資料館」にもあります。

それから、現地で「高炉跡にスマホをかざすと、当時の様子が映像で見える」というアプリも紹介してくれます。

その名も「橋野鉄鉱山観光ガイドアプリ」です。

それよりも、「鉄の歴史館」で勉強してから行くと、その価値がわかるはずです。

鉄の歴史館(釜石市ホームページ)

橋野鉄鉱山観光ガイドアプリ

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